インバウンド集客におけるMeta広告活用の現実と戦略

インバウンド集客におけるMeta広告活用の現実と戦略

インバウンドのお客様に向けて、Meta広告をピンポイントで配信したい…そう考える方は多いと思います。ですが、現実的にはこれがなかなか難しいのです。もし仮に配信ができたとしても、広告を見たその場でフォローしてもらえる確率は高くありません。
考えてみてください。皆さんは旅行先でたまたま目にした広告のアカウントを、その場でフォローしたことがありますか?おそらくほとんどの人が「ない」と答えるはずです。

だからこそ、最初の一歩は考え方を少し変えてみましょう。旅行中の一時的な来訪者だけを狙うのではなく、まずはお店や宿泊施設など、周辺(商圏)に暮らしている、日本在住の外国人の方々に目を向けるのです。彼らは日常的にそのエリアを行き来しており、生活圏にある店舗には何度も足を運ぶ可能性があります。配信対象をこの層に絞ることで、広告からフォローや来店につながる可能性は格段に高まります。その後、日本在住の外国人の方々から海外に在住の外国人(インバウンドのお客様)にInstagramなどでお店や宿泊施設の情報が届くのです。

例えば、Instagramのリールの広告では、短い動画の中でお店や宿泊施設の雰囲気や実物を見せることができ、しかも外国語字幕やちょっとした文化的な演出を加えれば、外国人の方の興味を引きやすくなります。15秒ほどでお店や宿泊施設の活気を見せたり、スタッフが外国語で一言挨拶するだけでも印象は変わります。「ここ、ちょっと行ってみたいな」と思わせるきっかけになるのです。

もちろん、広告を見た瞬間にフォローや来店につながらなくても構いません。むしろ大切なのは、広告をきっかけに「いいね」や「保存」といった軽いアクションをもらい、その後プロフィールページを見てもらうことです。そこから定期的な投稿やストーリーズ更新を通じて何度も接点を持つことで、自然とフォロワーが増えていきます。

要するに、狙うべきは「一撃必殺の広告」ではなく、徐々に関心を高めてもらう広告と運用の組み合わせです。商圏内の在住外国人に向けた魅力的なリール広告を地道に配信し、エンゲージメントを積み重ねていく。この積み重ねが、やがてインバウンド客にも波及し、長期的な集客力につながります。